ごあいさつ

 本邦における医療体制において、少子高齢化問題が本格化されつつある。特に周産期を含む小児医療では地域医療の在り方、体制づくりがもとめられるに至っています。地域医療の充実に向けて、指針では(1) 子どもの健康を守るために、家族を支援する体制 (2) 小児患者に対し、その症状に応じた対応が可能な体制 (3) 地域の小児医療が確保される体制 (4) 療養・療育支援が可能な体制 (5) 災害時を見据えた小児医療体制 の5つが挙げられています。さらに地域において、日常的な小児医療を実施すために地域医療機関の連携の重要性が指針として述べられています(「小児地域医療の体制構築のための指針」令和2年1月)。一方、小児医療における課題や問題点としては、ワクチン接種等に加え、アレルギー疾患および精神疾患の増加、またそれらに使用される医薬品の増加などに加え、難病や医療的ケアーの増加などが挙げられています。これに関連して対応すべき新規医薬品の開発や、小児に優しい剤形の開発、適応症拡大など社会的ニーズの高まりもあることから、本学会が目指す小児おける医療の適正化、すなわち年齢に応じて、用法・用量、適切な有効性の評価指標、副作用等に配慮が必要であり、小児臨床薬理学(発達薬理学)はまさにこれらに科学的根拠を与えるためのエビデンスが重要であると思います。
 そこで、本学術大会では産官学のそれそれの立場から今後の小児医療の展開について議論し、小児医療の方向性、医療現場で求められる実質的な医療展開を皆で考えられる会としたいと考えています。多くの皆様に参加して頂き、活発な意見交換できる場となるように鋭意準備させて頂きます。


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